毎日のスキンケアでなじみのある「化粧水」には、いくつかの種類があり、それぞれ役割が異なります。今回注目するのは、時短スキンケアにも役立つ「拭き取り化粧水」について。老化角質を除去して肌触りを柔らかくする拭き取り化粧水は、健やかなお肌を維持するためにプラスしてほしい化粧品の1つです。「拭き取り化粧水とは何？」という疑問に回答するとともに、正しい使い方まで詳しくお伝えします。

【拭き取り化粧水とは】保湿化粧水との違いは？

コットンに含ませて肌表面をぬぐう「拭き取り化粧水」は、一般的な「保湿化粧水」や「収れん化粧水」とは役割は大きく異なります。どちらも同じ整肌作用を目的ではありますが、コンセプトが違うため、使い方をしっかりマスターしたいところ。ここでは、スキンケアとして取り入れる保湿化粧水との役割の違い、そして拭き取り化粧水がお肌にもたらすメリットについて確認してみましょう。

保湿化粧水と何が違うの？

一般的に知られている保湿化粧水は、お肌に水分を補給して、うるおいを保つために使用します。肌表面にある角質層に水分や保湿成分を浸透させて、お肌を健やかに保つように整えるのが特徴です。

一方、拭き取り化粧水は、クレンジングや洗顔では落とし切れなかった、お肌に残っている余分な皮脂や汚れ、そして老化角質を拭き取って落とす役割があります。洗顔とあわせて、拭き取り化粧水でくすんだ老化角質を取り除けば、透明感のあるお肌をキープできるでしょう。

拭き取り化粧水を使うと良い理由は？

先にもお伝えしたように、拭き取り化粧水を使う大きなメリットは、「老化角質の除去」と「お肌の柔軟作用」です。肌表面に老化角質が蓄積すると、皮膚常在菌がそれをエサにして増殖。さらに、お肌に悪さをしてニキビや肌荒れを引き起こすことがあります。肌悩みの対策には、老化角質の除去がとても有効です。また、老化角質が取り除かれてお肌が柔らかくなると、その後に使用する化粧品に含まれる成分が角質層に浸透しやすくなります。お肌がゴワゴワ、ザラザラするといった質感が軽減されるのも、うれしいメリットです。

【拭き取り化粧水の選び方】肌タイプ別おすすめの拭き取り化粧水のタイプ

保湿化粧水と同様に、拭き取り化粧水もバリエーションが豊富です。自分のお肌のタイプにあったものを選びましょう。

乾燥・敏感肌にはアルコールフリーの拭き取り化粧水がおすすめ

乾燥肌や敏感肌は、お肌のバリア機能が低下して、ちょっとしたことで刺激を感じやすくなっています。そのため、使い心地が穏やかなアルコールフリーの拭き取り化粧水を選ぶとよいでしょう。アルコール成分には、お肌をひきしめたり、肌表面に残った汚れを浮かして取り除いたりする働きがあります。しかし、高い揮発性によるすっきりとした爽快感がかえって乾燥につながることも。お肌が過敏になっていると、強い刺激に感じてしまうことがあります。

脂性肌にはお肌のオイルバランスを整える拭き取り化粧水がおすすめ

脂性肌は、油性成分の配合量が少なめのライトな使用感の拭き取り化粧水を選ぶとよいでしょう。脂性肌の中には、うるおい不足になった角質層からこれ以上水分が蒸発しないようにと皮脂分泌が過剰になっているインナードライのケースもあります。素肌力のアップには、水分と油分のバランスが大切。肌表面のベタつきを感じるときこそ、保湿成分を含んでいる拭き取り化粧水を使うのもおすすめです。

【拭き取り化粧水の使い方】朝に使う順番は？効果的に使うポイント

拭き取り化粧水は、基本的に朝のスキンケアにも、夜のスキンケアにも使用できる化粧品です。洗顔をした後、他の種類の化粧水を塗布する前に使用します。

朝の洗顔後、もしくは、洗顔をスキップする時短アイテムとして使う

朝に拭き取り化粧水を使うときも、洗顔後に使用するのが基本。ですが、洗顔料を泡立ててゆっくり顔を洗う時間がない、というときもありますよね。そんなときは、洗顔を時短する意味で、拭き取り化粧水を使って、ささっと顔表面の汚れを取り除きましょう。時間に余裕があるときは、洗顔後の拭き取りを。忙しい日は、拭き取り化粧水からスキンケアをはじめて見て。

拭き取り化粧水はコットンを使用するのが前提

拭き取り化粧水の使い方は、簡単。拭き取り化粧水をたっぷり含ませたコットンを、お肌に密着させてやさしく拭き取るだけ。お肌のごわつきやざらつきが気になる部分を中心に拭き取り、目元と口元の皮膚が薄く繊細な部分は避けるようにしましょう。汚れが気になるからとゴシゴシこすると、摩擦が生じて肌荒れの原因になります。顔全体を拭き取った後のお肌は、デリケートで乾燥しやすい状態になっているので、化粧水や乳液、クリームなどで保湿するのを忘れずに。お肌が柔らかくなっているので、保湿やコンディショニングなどの働きを持つ成分を角質層にしっかり浸透させましょう。

拭き取り化粧水にはいろいろなタイプがありますが、お肌の調子に合わせて使用量を調整したいなら液体タイプ、いつでも手早く使いたいならシートタイプがおすすめです。液体タイプを使うときは、コットンがひたひたになるまでたっぷりしみ込ませてから拭き取りましょう。大切なのは、清潔なコットンを使うこと。均一な量の拭き取り化粧水で顔全体を拭き取ることができ、肌表面に雑菌がつきにくくなります。拭き取り化粧水は、肌表現の汚れを拭き取るのが本来の使い方。手でなじませて使うとせっかくの効果が半減してしまいます。

【拭き取り化粧水の注意点】使うときに気をつけたいこと

乾燥や肌荒れが気になるときは、お肌がデリケートになっていて拭き取り化粧水が負担に感じることも。そのときは、使用を控えて、保湿重視のスキンケアに切り替えましょう。

なかには、拭き取り化粧水を使い始めたときに、お肌がヒリヒリすると感じる方もいらっしゃいます。洗顔で過度に皮脂や角質を取り過ぎてバリア機能が低下している場合や、拭き取るときの摩擦力が強い場合など、原因は人によってさまざま。洗顔の回数やお湯の温度、コットンに含ませる拭き取り化粧水の量を見直しても刺激を感じる時は、残念ですが使用を避けましょう。

とくにお肌が敏感な方は、使用前にパッチテストをしてみるのもおすすめです。

＜パッチテストのやり方＞

1. 絆創膏のガーゼ部分に適量の化粧品をのせ、入浴後の清潔なお肌の目立たない部分に貼ります。
2. 48時間後に絆創膏をはがし、翌日まで様子を見る。

パッチテストを行っている最中に腫れやかゆみ、赤みなどが出た場合は、今のお肌に合っていないと判断できます。

余分な汚れを取り除き、健やかなお肌を保ちましょう

しっかり洗顔をしているつもりでも、余分な汚れや老化角質がお肌に残っていることがあります。拭き取り化粧水を毎日のスキンケアに取り入れて、肌本来の自然な美しさを目指してみてはいかがでしょうか。

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